【簡単解説】新規メガソーラー電力買い取り価格上乗せ廃止により消費者、日本株、海外株への影響は?

日本経済

2025年12月14日(日)、Yahoo!ニュースで「新規メガソーラー、電力買い取り価格上乗せ廃止へ…消費者が支払う再エネ賦課金が原資」という記事が報じられました。本記事では、電力買い取り価格上乗せ制度とは何か、再エネ賦課金の仕組み、廃止による消費者や株価への影響について整理しました。

新規メガソーラー、電力買い取り価格上乗せ廃止へ…消費者が支払う再エネ賦課金が原資(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
 政府・自民党は大規模太陽光発電施設「メガソーラー」について、2027年度から新規事業に対する支援を廃止する方針を固めた。メガソーラーを巡る環境破壊などが社会問題化しており、東日本大震災以降の普及促

電力買い取り価格の上乗せ制度とは?

電力買い取り価格の上乗せ制度は、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故を契機として、2012年に本格導入されました。原子力発電への依存を減らし、再生可能エネルギーを早急に普及させる必要があったため、国が主導して整えた仕組みです。

この制度では、再生可能エネルギーで発電された電気を、市場での取引価格よりも高い水準で電力会社が買い取ることが認められています。発電事業者が安定して投資できる環境を整えることで、再エネの導入を加速させる狙いがあります。

対象は太陽光発電だけでなく、風力・水力・地熱など再生可能エネルギー全般です。


消費者が負担する再エネ賦課金とは?

再生可能エネルギーの電力を高い価格で買い取るための費用は、国の税金ではなく、「再エネ賦課金」として私たち消費者が負担しています。毎月の電気料金に加算され、全国の家庭や事業者が広く支払っています。記事によると、2025年度の買い取り総額4.9兆円のうち、3.1兆円が再エネ賦課金によるものです。

電気料金のイメージ

電気料金
 ├─ 基本料金
 ├─ 電力量料金(使った分の電気代)
 ├─ 燃料費調整額(燃料価格の変動を反映)
 └─ 再エネ賦課金(再生可能エネルギー支援のための負担)
  • 電気を多く使うほど、再エネ賦課金の負担も増える仕組みです
  • 契約プランや電力会社に関係なく全国一律です
  • 毎月の明細に項目として表示されます

支援廃止の対象は?

記事によると、FIP制度による電力買い取り価格上乗せの廃止対象は次の通りです。

  1. 出力1000キロワット以上のメガソーラー
    • 大規模太陽光発電所
    • 山林や空き地に設置されるケースが多く、環境破壊や地域トラブルが問題視されています
  2. 出力10キロワット以上の地上設置型・事業用太陽光発電
    • メガソーラー未満でも事業目的で地面に設置される設備
    • 規模の大小にかかわらず「地上設置型・事業用」が対象です

支援継続の対象

  • 屋根設置型の事業用太陽光発電
  • 一般家庭の太陽光発電設備

→ 太陽光発電すべてが対象ではなく、新規の地上設置型・事業用に絞った見直しです。


AI予測:消費者(再エネ賦課金)への影響

記事内容と制度の仕組みをもとに予測すると、再エネ賦課金が直ちに大きく下がることは考えにくいです。理由は以下の通りです。

  • 廃止対象は2027年度以降に始まる新規事業のみ
  • 既に稼働している発電設備への買い取りは契約期間中、継続される

ただし、新規大規模太陽光への支援を止めることで、将来的な賦課金の増加を抑える効果は期待できます。つまり、今回の見直しは「賦課金を減らす」よりも「これ以上増やさない」ための政策転換と見るのが適切です。


AI予測:株価への影響

今回の政策(メガソーラー支援廃止)が株価に影響を与えそうな銘柄についても、最近のニュースや市場の反応からある程度ピックアップしました。ただし、個別株の推奨ではなく、政策変更が投資家心理や関連企業の株価にどう影響しそうかの候補として参考としていただければと思います。

日本株

◆ レノバ(9519)

  • 大手独立系再生可能エネルギー事業者(太陽光・風力・バイオマスなど)として注目されている銘柄。IG
  • メガソーラー支援が縮小されると、大規模太陽光関連の収益見通しに影響が出る可能性があります。

関連背景
再生可能エネルギー全般のポートフォリオを持つ企業として、政策リスクが株価に織り込まれやすいです。IG


◆ 西持(West Holdings:1407.T)


海外株

太陽光パネルや技術は国境を越えて取引されています。日本のメガソーラー支援縮小により需要が減ると、海外パネルメーカーや関連技術企業の売上・受注に影響し、株価に反映される可能性があります。

◆ NextEra Energy(NEE)

  • 世界最大級の再生可能エネルギー企業。IG
  • 風力・太陽光の導入量が大きく、グローバルな政策動向に敏感。

◆ Enphase Energy(ENPH)

  • 太陽光発電システムのマイクロインバータメーカー。政策不確実性で株価変動しやすい。IG

◆ First Solar(FSLR)

  • 米国太陽光モジュール大手で、税制優遇や政策支援の変更が株価に影響。IG

締めくくり:環境と再エネ普及の矛盾

再生可能エネルギーの普及は地球環境のために重要ですが、大規模地上設置型太陽光発電による森林伐採や景観悪化といった環境破壊の問題も起きていました。エネルギーをエコにするために環境を壊してしまうという矛盾です。

今回の支援見直しは、その矛盾を少しずつ改善する一歩と考えられます。今後は自然環境に配慮しながら再エネを普及させる取り組みがさらに進むことを期待したいです。

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