2025年12月19日(金)、メルカリと駿河屋が資本業務提携を行うというニュースがありました。
中古市場において異なるビジネスモデルを持つ両社の提携は非常に興味深く、大きな注目を集めています。
近年、「資本業務提携」はさまざまな業界でよく見られるようになりましたが、そもそも資本業務提携とは何なのか、そして今回の提携によって両社にどのようなメリットが生まれるのか、また収益モデルがどのように変化していくのかを改めて整理してみたいと思います。
本記事が、資本業務提携について理解を深めるきっかけになれば幸いです。
メルカリと駿河屋が資本業務提携、越境ECとグローバルOMOを推進(ネットショップ担当者フォーラム) – Yahoo!ニュース メルカリと、エンタメ・ホビー分野のリユース品販売などを手がける駿河屋は12月18日、資本業務提携契約を締結したと発表した。 news.yahoo.co.jp
メルカリと駿河屋のビジネスモデル

まずは2社それぞれのビジネスモデルを簡単におさらいします。
メルカリ
- 概要:個人間で中古品を売買できるフリマアプリを運営
- ジャンル:ほぼ全ジャンルに対応(一部例外あり)
- 取引:個人・法人の売り手 ↔ 個人の買い手
- 売上:販売金額の一定割合を手数料として受け取る
駿河屋
- 概要:個人または法人から中古品を買い取り、自社で販売するリユース企業
- ジャンル:中古のゲーム・アニメ・ホビー関連商品中心
- 取引:個人・法人の売り手 ↔︎ 駿河屋 ↔︎ 個人・法人の買い手
- 売上:販売価格と買取価格の差額
資本業務提携とは?

簡単にいうと「お互いに少し株を持ち合いながら、一緒に事業も進めましょう」という関係です。会社同士が協力する方法には段階があります。
- 業務提携
- 一緒にサービスを作る
- 技術や顧客を融通し合う
- お金(株)は関係なし
- 例:共同キャンペーン、システム連携
- 資本提携
- 相手の会社の株を買う
- 経営に少し関わる
- 具体的な協業はまだ弱い
- 例:出資だけして様子を見る
- 資本業務提携(今回のケース)
- 株を持ち合う(資本)
- 一緒に事業もやる(業務)
- 口約束ではなく、お金と契約でガッチリ固めた関係
なぜ「資本」まで入れるのか?
- 相手の成長=自社の利益になる
- 長期目線で協力しやすくなる
- 「本気で一緒にやる」合図になる
身近な例でいうと
- 業務提携:一緒にイベントをやる友達
- 資本業務提携:一緒にお金を出してお店を始める仲間
メルカリ・駿河屋にとってのメリット

メルカリ
- 駿河屋の商品在庫を取り扱うことで、商品の質と量を大幅に強化
- 海外市場からのアニメ・ゲーム需要を取り込むことで売上拡大
- 収益モデル:海外ユーザー ↔ 国内・海外のホビー商品の売り手(手数料収入の増加)
駿河屋
- メルカリ駿河屋店を開設し、販路を国内外に一気に拡大
- 国内・海外市場のアニメ・ゲームなど日本文化への需要を取り込める
- 収益モデル
- 提携前:国内の売り手 ↔ 駿河屋 ↔ 国内の買い手
- 提携後:国内・海外の売り手 ↔ 駿河屋 ↔ 国内・海外の買い手
なぜ資本業務提携なのか?

- 長期的・強固なパートナーシップ
- 業務提携だけだと契約ベースで関係が弱くなりやすい
- 資本を組み込むことで互いの成功に直結する関係を構築
- 海外展開・OMO推進のリスクを共有
- 越境ECやオンライン・オフライン融合(OMO)は新規市場開拓や在庫運用のリスクが大きい
- 資本提携により意思決定や投資をスムーズに進め、リスクを共有
- 安定的な供給と信頼性の確保
- メルカリが駿河屋商品を国内外で扱う上で、供給安定と品質保証は必須
- 資本提携により駿河屋側も販売に強くコミットする
まとめ

今回の資本業務提携は、品揃え・安全性・販路・収益モデルすべてでシナジーが期待できる戦略的取り組みです。日本のホビー・エンタメ文化を世界に届ける新たな流通モデルの第一歩として、非常に注目すべきニュースと言えるでしょう。
※掲載している写真はイメージです。実際の店舗や商品とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。



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