「法務を募集している会社は危ない」
そんな見方を耳にすることがあります。
もっとも、実際には法務募集そのものが、会社の善し悪しを直接決めるわけではありません。
重要なのは、どの市場フェーズにあり、どのような背景から行われているかです。
背景次第では、法務の募集は、
会社の将来や現在地を読み解く一つのサインになり得ます。
本記事では、法務募集における代表的な4つのパターンを整理します。
市場成長フェーズにおける法務募集

市場全体が成長している局面では、
法務募集は比較的ポジティブな意味を持つことが多くなります。
- 新規事業の立ち上げ
- 海外展開や取引の複雑化
- M&Aや資本業務提携の増加
こうした動きに対して、
事業スピードを落とさないための体制整備として法務が求められます。
この場合、法務は
「リスクを避ける存在」ではなく、
リスクを理解したうえで前に進むための支援役として位置づけられます。
市場縮小フェーズにおける法務募集

一方、市場が成熟・縮小に向かう局面では、
法務募集の意味合いが変わってくることがあります。
- 契約条件の見直し
- トラブルや紛争対応の増加
- 不採算事業の整理・撤退
- ガバナンスやコンプライアンスの再整理
このフェーズでは、
成長のためというよりも、
事業リスクを管理・整理する目的で法務が求められるケースが見られます。
もちろん必要な役割ではありますが、
会社の向いている方向性を読み取る材料にはなります。
成長に見せかけて縮小に向かう組織(二重構造)
さらに見極めが難しいのが、
成長施策と縮小対応が同時に進んでいるケースです。
- M&Aや資本業務提携を積極的に打ち出す一方で
- 既存事業の整理や人員調整が進む
こうした状況では、
表向きは成長、実態は調整という二重構造が生まれやすくなります。
この局面での法務募集は、
新しい挑戦を支える役割と同時に、
整理や切り離しを進める役割も含むことがあります。
求人票の言葉だけでは、
その比重は分かりにくい点に注意が必要です。
縮小を見越して前任の法務が退職しているケース
市場縮小が進んだ企業では、
法務を新たに募集するのではなく、前任者がすでに退職している
というケースも見られます。
- 訴訟や紛争リスクを一定程度織り込んでいる
- 常勤の法務を置く必要性が低下している
- 外部専門家で対応できると判断されている
こうした判断自体が必ずしも誤りとは限りませんが、
会社がどの段階にいるのかを示す一つのサインにはなります。
結論:慎重に見極めよう

法務を募集しているかどうかだけで、
会社の将来を判断することはできません。
- 成長を支えるための法務なのか
- 整理・調整を進めるための法務なのか
- あるいは、その両方なのか
募集背景を丁寧に読み解くことで、
会社の現在地はより立体的に見えてきます。
結論として、
法務募集は「良い・悪い」で判断するのではなく、
慎重に見極める対象であると言えるでしょう。
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