これまで2回にわたり、みずほ銀行がまとめた産業調査レポートのサマリーをご紹介してきました。今回は、その産業調査レポートを踏まえつつ、今後どの産業が成長していくのか、そして成長産業でどのようなスキルが求められるのかを、AIによる予測も交えてご紹介します。
もちろん、AIが導き出す答えが必ずしも100％正解というわけではなく、人間と同様に誤る可能性もあります。しかし、学生の皆さんには進路を考える際のヒントに、社会人の皆さんには今後身につけるべきスキルを検討する際の参考としてお役に立てれば幸いです。
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1. IT・情報サービス・エレクトロニクス
IT分野はこれからも確実に伸び続ける分野。AI・クラウド化・データ活用の進展により、企業のあらゆる業務がデジタル化されていきます。
求められるスキル
- プログラミング：Python、Java、JavaScript など
- データ分析：Excel高度活用／SQL／Tableau・Power BI などのBIツール
- AI・機械学習：モデル構築、データ前処理、評価
- クラウド技術：AWS、Azure、GCP の利用経験
- 業務改善力：企業課題をITで解決する企画力
特に「ITで業務課題をどう変えるか」を考えられる人材が、今後さらに価値を高めます。
2. 医療・ヘルスケア・介護
人口構造の変化により、必ず需要が伸びる分野。医療×IT（オンライン診療、健康管理アプリなど）も成長が期待されます。
求められるスキル
- 医療関連の基礎知識：医療事務、看護、介護福祉など
- ICT活用：電子カルテ、オンライン診療、見守りIoT機器
- リハビリ・健康支援：運動指導、栄養、生活習慣改善の知識
- コミュニケーション力：患者・高齢者との信頼構築
- サービス設計力：利用者目線での新しい医療・介護サービス企画
ここでもIT活用力とコミュニケーション力の組み合わせが鍵になります。
3. エネルギー（電力・再生可能エネルギー）
脱炭素が世界的に加速しており、再生可能エネルギーは今後も投資が増える分野です。
求められるスキル
- 再エネ技術：太陽光・風力発電の設計・運用
- 電力設備運用：送電・配電の安定運用
- 省エネ・環境技術：CO₂削減に向けた提案・分析
- プロジェクト管理：設備導入や工事計画の管理
- 法規制対応力：環境規制、安全基準の理解
技術だけでなく、法規制を正しく理解し判断できる知識が強みになります。
4. 素材（化学・鉄鋼など）
環境対応型の素材開発や軽量化ニーズが拡大しており、伝統産業も大きく変革中です。
求められるスキル
- 材料分析・開発：化学実験、材料特性評価、分析装置操作
- 環境対応技術：低CO₂プロセス、リサイクル技術
- 品質管理：QC手法、工程改善
- CAD/CAE：素材・部品設計、シミュレーション
- サプライチェーン管理：在庫・調達・生産の最適化
研究＋デジタルの複合スキルが求められるようになっています。
5. 自動車・機械・製造業（高付加価値型）
EV化、ロボット化、スマートファクトリー化が進み、製造業もIT化の真っ只中。
求められるスキル
- 機械設計・電装設計：CAD（CATIA、SolidWorks など）
- 制御・自動化技術：PLC制御、ロボット導入、IoT
- EV・次世代技術：電池管理、モーター制御、車載ソフトウェア
- 生産管理・改善：工程設計、効率化、品質改善
- サービス・ビジネス設計力：製品＋デジタルサービスの価値創造
製品開発にデジタルサービスが組み合わさることで、求められるスキルも大きく変わっています。
まとめ
どの産業にも共通するのは、
① 専門知識 ② デジタルスキル ③ 企画・コミュニケーション力
の掛け合わせがますます重要になる、という点です。
とはいえ、これらのスキルがあれば “どんな会社でも即採用！” となるわけではありません。
実際には、
- 提示年収（企業との条件の一致）
- 転職回数や職歴の一貫性
- 年齢による求められる役割の違い
など、現実的な要素も採用判断には絡んできます。
こうした現実的な前提を踏まえつつも、どのスキルを伸ばしていくかを考えることは、キャリアの選択肢を少しずつ広げるきっかけになるはずです。
自分の興味や強みと照らし合わせながら、無理のない範囲でスキルを積み重ねていくことで、将来の方向性が見えやすくなるかもしれません。
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