図解 超訳 資本論から得た学び(巨大化・恐慌編)

経済・お金

資本論とは

資本論とは、カール・マルクス(1818〜1883)の著書であり、近代社会の経済的基礎を歴史的かつ批判的にとらえた社会科学の古典の一つと言われている。

(出典:https://kotobank.jp/word/資本論-75091

資本論では「資本論とは何か」「資本はどう動くか」「資本家は資本をどう活用するか」「なぜお金持ちはどんどんお金持ちになり、貧乏人はさらに貧乏になるか」といった資本主義の構造について分析している。

本書では資本論を「ビジネスマンの聖書」としている。資本論の要点を図解でシンプルにまとめられたのが本書である。資本論をわかりやすい具体例を上げながら説明している。ここでは個人的に学びになった部分をかいつまんで紹介したい。

最後は、資本が巨大になる仕組み、恐慌について紹介したい。

資本の蓄積・集中が生産性を高める

資本の蓄積とは、資本家が得た剰余価値を資本に付け加えて、資本を次々に増大させることを意味している。資本の集中とは、いくつかの資本を合体させて、資本の規模を増やすことを意味している。個人的には競合は多すぎると価格競争になり利益が下がってしまうし、少なすぎるとイノベーションが生まれないと思うので、ちょうどいい感じで資本の蓄積・集中が進めば良いと思う。

資本は金融の力を借りて大きくなる

資本を集中させるにあたり、最も強力なレバーが2つあるとしている。それは「競争」と「信用制度」である。信用制度は、お金を借りる人があとで元金と利子を返すと「信用」することを前提としている。信用は社会に分散している貨幣を、目に見えない糸で資本家の手に手繰り寄せてくれる。また、競争に生き残るためにもお金を借りてでも資本の規模を増大させる必要がある。財務用語で資本というと単純に自分のお金を意味するが、マルクスの資本論では資本は財務諸表では資産にあたる。それは、強力で巨大な資本を作るためには、それが自分のお金だろうと他人から借りたお金だろうが構わないかららしい。他人のお金を借りて自分の資本を2倍にすると、得られる利益も2倍になる。国を企業に当てはめて良いかは私としてはまだ勉強しないとわからないが、資本論の考えに基づくと日本はプライマリーバランス黒字を目指すと言われているが、必ずしもそれが正解ではないのではと思えてくる。

消費を増やしても不況は解決できない

資本家の収入は剰余価値の一部であり、残りの全ては資本に付け加えられる。つまり消費ではない。そのため、この理論に基づくといくら消費を増やす施策をとっても無駄に終わる。需要には限界があるのに、資本は自己増殖のために絶えず生産を続けるから、その結果過剰生産になる。生産力と消費力の違い、その乖離から不況や恐慌が発生する。この乖離が解消されない以上、いくら貨幣を多く発行しても、いくら利子を下げても、需要や投資が増加することはない。資本を投入してもそれが増殖することができなければ、投資が活発になることもないし、雇用が活発になることもない。この理論に基づくと政府が実行すべきは金融政策でも財政政策でもなく、生産力と消費力の調整なのだろうか。

恐慌の原因かは不明

恐慌は資本主義社会に周期的に発生しているが、現代の主流の経済学理論では、恐慌の原因を分析することができない。ただここでは「商品が売れないのは、支払い能力のある購入者を探し出すことができないことを意味するだけだ」と書かれいてる。この内容は個人的には刺さった。コロナ禍で商売を工夫してうまく行った会社があるように、恐慌というより、ただこの能力を試されているだけなのではないかと思う。また、労働者階級が繁栄するのは一時的であるとされている。結局のところ周期的に繰り返される好況に依存するのではなく、いかなる時も立ち向かえる準備はしておかないといけないといけないということなのだろうか。

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